みなさんこんにちは。
臨月に入ってからの妊婦健診では、それまで安静にするよう言われていたママも「運動してください」と医師から勧められることが多くなります。
その理由はズバリ「安産」のため。臨月に行う安産体操も、妊娠中に行う他のマタニティエクササイズと同じような効果や目的がありますが、安産体操はそれらに比べて簡単かつ短時間で行うことができるのが特徴です。
安定期に入ってから「全く運動をしてこなかった」「やってみたけれど続けられなかった」という方は、出産までの残り僅かな期間、心機一転「安産体操」に取り組むことで出産に備えることができます。
そもそも「安産」って何をもってそう言うのか?安産体操って本当に必要なのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。今日はその辺りも含め、安産体操についてご紹介したいと思います。
Contents
そもそも「安産」って?
どういうお産が「安産」なのか、ぼんやりとしたイメージは皆さんお持ちだと思います。
安産の一番の定義は「母子ともに健康である」ということ。無事に出産を終えることが何よりの安産です。
その他に、予定日付近での出産、陣痛開始から出産までが短時間、痛みが少ない、特別な器具を使用しない(吸引分娩や鉗子分娩)などが一般的に安産だと言われています。
時間や痛みについては陣痛促進剤を使用する場合もあるため、人それぞれ感じ方が違います。実際私自身、促進剤を使用して陣痛開始から10時間かかって出産しました。医師からは「安産だったね」と言われましたが「これで安産!?」というのが正直な感想でした。会陰切開の有無で安産・難産を区別する場合もあるようです。
ママも赤ちゃんも元気であり「また産みたい!」と思えたとしたら、それは間違いなく安産なんだと思います。
「安産」に必要な条件とは?
出産が始まると、赤ちゃんは回転しながら「産道」を通り進んでいきます。分娩時ピークに達する「陣痛」は、子宮が収縮することで起こります。陣痛の間隔が狭まり子宮の収縮が繰り返されることで、赤ちゃんは更に産道を進み、陣痛に合わせてママがいきみ、腹圧をかけ押し出すことでやっと産まれてくることができます。
このことから、安産に必要なのは大きく分けて「赤ちゃんが通りやすい産道」「赤ちゃんを押し出すママの力」の2つであるといえます。
産道を良い状態に整える為に必要なポイントは3つ。
- 骨盤のねじれ、歪みをなくすこと
- 股関節を柔軟にすること
- 骨盤底筋を緩めること
そして、赤ちゃんを押し出す為に必要な腹圧、出産に耐えられるパワーは、いかに筋力と体力があるかにかかっています。
スポンサーリンク安産体操とは?
安産体操とは、妊婦さんが安産対策として行う体操で「妊婦体操」とも呼ばれています。マタニティヨガやマタニティビクスなどのマタニティエクササイズと同様の効果を得ることができます。
普段から運動をしない、運動が苦手だという人も無理なくこなせる体操であることが特徴で、妊娠36週からの「臨月」から始める方も多く、出産当日まで継続することが推奨されています。
安産体操はいつから始める?
安産体操は妊娠後期、臨月に入ってから始めるイメージがありますが、妊娠16週以降の安定期から開始することができます。妊娠中の運動の一環として安産体操を取り入れる人もいます。
他のマタニティエクササイズに比べて軽い運動ではありますが、体調に不安がある場合は医師に相談してから始めるようにしましょう。
出産当日まで継続することで安産効果はより高まるといわれています。
安産体操の効果とは?
安産体操を出産まで継続することで次のような効果を得ることができます。
- 産道周辺の柔軟性が高まる
- 出産に向け体力がつく
- 出産に必要な筋肉が鍛えられる
- マイナートラブルの症状を軽減する
- 運動不足の解消
- 体重管理に役立つ
- ストレス解消
- リラックス効果
安産体操のやり方は?
スポンサーリンク【1】首・肩まわりをほぐす体操
首や肩まわりをほぐして血行を促進します。頭痛や肩こりの解消にもなります。
- はじめに首を前後、左右にゆっくり傾ける
- 次に右回り、左回り、交互に1周回す
- 両肩を上に上げて、ストンとおろす
- 次に両肩を上げて、後ろに引いてからおろす
肩を上げる時に息を吸って、おろす時に吐くという呼吸のリズムを整えながら行います。
肩甲骨を意識して行うと、肩を大きく動かすことができます。
【2】股関節の柔軟性を高める体操
股関節をストレッチすることで骨盤底筋群の柔軟性を高めます。足の付け根の痛みを和らげる効果も。
- 両脚裏を合わせた姿勢で座る
- 両手を膝にのせて上半身を前に倒す
- 息を吐きながら膝を押して開く
- 息を吸いながら上半身を起こす
背筋を伸ばして良い姿勢で行いましょう。
無理に曲げず、上半身の重さで自然に曲げるようにします。
【3】腹筋・背筋を鍛える体操
「猫のポーズ」と呼ばれている体操です。腹筋と背筋をストレッチして腰痛を予防、腹筋運動にもなります。
- 四つ這いになり、手と足をついて腰幅に開く
- 大きく息を吸う
- 息を吐きながら腹筋を意識して背中を丸める
- おへそを覗き込むように頭を身体の内側にいれて、背中で天井を押し上げる
- 一度息を吸い、吐きながらお腹の力を抜いて元の姿勢に戻る
背骨を波のように動かすイメージで行います。
呼吸に合わせて腰の痛いところをさすってもらうマッサージは、産後の腰痛予防にも効果的。
【4】骨盤周りの柔軟性を高める体操
腰をねじる動きは腰痛の予防、骨盤周りの柔軟性を高めることができます。
- 仰向けに寝て足を揃えて両膝を立てる
- 膝をつけたまま片側にゆっくり倒す(首は膝と反対側に向ける)
- 元の姿勢に戻り、反対側に倒す
タオルを絞るようなイメージで腰をひねります。
膝を倒す時に多少ずれても問題ありません。
肩が床から離れないように両腕を床につけて行いましょう。
【5】骨盤底筋を鍛える体操
「すべり台のポーズ」と呼ばれている体操です。お尻の筋肉や骨盤底筋を鍛えることができます。尿漏れ防止の効果も。
- 仰向けに寝て、両膝を曲げ腰幅に開く
- 両手はてのひらを下に向けて両脇に置く
- 息を吐きながら腰を上げ、すべり台の姿勢をキープしながら息を吸う
- 息をゆっくり吐きながら腰を下ろす
腰を上げる時に、床から骨盤、背骨と順番に離していくイメージで行います。戻す時も同様に、背骨から骨盤と順番に下ろしていくイメージで。
すべり台のように肩・腰・膝が一直線にキープできるようにしましょう。
【6】足のむくみを解消する体操
足のストレッチ体操を行うことで、むくみをやわらげたり、足のつりを予防することができます。
- 両手を壁につけて脚を腰幅に広げる
- 脚を前後に開いて、両手で壁を押す
- 息を吐きながら、膝を曲げないように後ろ脚を伸ばしてかかとをつける
- 両脚を交互に行う
- 【2】の股関節のストレッチを行う
- 仰向けに寝て、両膝を立てる
- 片脚をまっすぐ上げて、足首を曲げたり伸ばしたりする
- 反対側の脚も同様に行う
【7】横向きでリラックスポーズ
「シムスのポーズ」と呼ばれ、妊婦さんがいちばんリラックスできると言われているポーズです。
- クッションを用意
- 身体を横向きにする
- 床側の手足を後ろ側に、反対側の手足を前にする
- 全身の力を抜く
- 反対側も同様に行う
手と足は軽く曲げ、全ての関節を緩めるイメージで。
全身の力を抜いてリラックスしましょう。
まとめ
安産体操は他のマタニティエクササイズに比べ、どちらかというと体重管理の為というよりは安産のための身体作りに重点をおいたものです。既に他のマタニティエクササイズを始めている方は、安産体操を組み合わせて行うのもおすすめです。
安産であるということは、産後の身体の回復が早い、イコール体型も早く戻り、結果として産後ダイエットの成功へとつながってきます。
妊娠中ろくに運動をせず臨月に突入してしまった!というママさんも、今日から安産体操を始めてみてはいかがでしょうか。