みなさんこんにちは。
なかなか梅雨明けせずジメジメとした日が続きますが、そんな時期に注意したいのが”カビ”です。
家の中のカビはさる事ながら、もっと怖いのは肌のカビ。
なんか背中がブツブツしてるけどニキビかな…あせもかな…と思っていたら実はそれ、「カビ」かもしれません。
適当に薬を塗って放っておくと更に悪化する可能性が。
なかなか聞きなれない”肌カビ”について、皮膚科医の先生のお話などをまとめてみました。
Contents
「肌カビ」とは?
肌カビは「マラセチア菌」という菌により、顔や腕、背中に赤い発疹ができます。
老若男女誰にでも起こりうる病気で、ニキビやあせもと症状がよく似ています。
実は”肌カビ”の正体である「マラセチア菌」は誰の皮膚にでも存在する常在菌。通常は皮脂を分解し、脂肪酸を取り出し、肌を弱酸性に保ち守る役割をしています。
しかし、この時期蒸し暑くなり皮脂が多く分泌されるようになると必要以上に増殖し、それが肌トラブルの原因となってしまうことがあるのです。
肌カビの症状
マラセチア菌が増殖すると、次のような症状が出ます。
- かゆみ
- 赤いポツポツ(マラセチア毛包炎)
- フケ(脂漏性皮膚炎)
- 加齢臭が増える
特に皮脂の増加が増す20代以降に症状が出やすいとのこと。
また、フケや加齢臭に関しては、女性に比べ皮脂の分泌が多い男性の方に症状が多く出る傾向があるそうです。
赤いポツポツが出る「マラセチア毛包炎」は、放っておくとニキビと同様に赤みや色素沈着を残すことがあります。
スポンサーリンク肌カビの予防法と対策は?
ビビットに出演されていた皮膚科医の花房火月先生によると、「肌カビ」は高温多湿の6月から8月にかけて特に注意が必要なのだそうです。
その理由の一つは肌カビが増加する原因にありました。
湿度が高く肌カビが増加
肌カビが増加する原因の一つが「高湿度」です。
わきの下や首もと、前胸部など、皮脂の分泌が多く蒸れやすい場所にできやすくなります。
また、髪の長い人はトリートメントなどが背中に残ってしまったまま寝てしまうことで炎症が起きやすいそうです。
対処法:通気性の良い服を着る
栄養不足により肌カビが増加
栄養不足も肌カビの原因です。
ビタミンB群が皮脂の分泌を調整しているため、野菜類を積極的に摂取するのが効果的。
レバーやしじみ、牛乳が良いそうです。
対処法:バランスの良い食事(特にビタミンB群)
皮脂汚れにより肌カビが増加
マラセチア菌が原因の皮膚トラブルがある場合、皮脂汚れには特に注意が必要です。
シャワーができない場合は汗をかいたら肌着を着替えるだけでも効果的。濡れタオルで体を拭くだけでも違うそうです。
対処法:汗をかいたらシャワーを浴びる
やってはいけない2つの行動
肌カビの症状がある時のNG行動が2つあります。
症状がニキビやあせもと似ているためついついやってしまいそうですが、悪化の原因になりかねないため注意が必要です。
1.肌をごしごし洗う
肌を清潔にしようとしてゴシゴシ強く洗いすぎると、小さな傷がついて肌のバリア機能が低下してしまい、カビが付きやすくなってしまいます。
マラセチア菌は常在菌のため、他の菌とのバランスが大切。洗いすぎるとかえってバランスが崩れてしまう可能性があるのです。
先生によると、泡立てたら手で洗うだけで充分、朝シャワーを浴びるのも良いことですが、石鹸を使用して体を洗うのは1日1回で良いとのことでした。
2.あせも用の薬を塗る
うっかりやってしまいがちなのが、家にある適当な薬を塗ってしまうことです。
肌カビは抗真菌薬で治療します。
あせも用の治療薬にはステロイドが混入していることが多く、ステロイドには免疫を防ぐ働きがあるため、かえってカビが繁殖してしまう可能性があるのです。
肌カビの症状であるマラセチア毛包炎を悪化させると、他の雑菌による感染症を引き起こし、にきび痕のようになってしまうことがあるので注意が必要です。
マラセチア毛包炎はニキビやあせもに似ているため見分けがつきにいのですが、次のような違いがあります。
マラセチア毛包炎 | あせも |
---|---|
老若男女にできる、どちらかというと大人に多い | 子供にできやすい |
触ると硬い(吹き出物のようなコリっした硬さ) | 触ると柔らかい |
また、ニキビは毛穴が詰まった状態で、膿を持っていたり赤いものが混在しているのに対し、マラセチア毛包炎は、同じ症状の赤いプツプツが同時にまとまってできるという違いがあるそうです。
スポンサーリンク”肌カビ”ではない”〇〇カビ”
放っておくと怖い「肌カビ」ですが、実は体の他の部位にできる「〇〇カビ」が存在します。
肌カビ以外に注意しなくてはならないカビには、次のようなものがあります。
舌カビ | 舌が黒ずむ、味覚障害 |
---|---|
指カビ | 白くふやける、赤くただれる |
鼻カビ | 鼻水・鼻づまり、ひりひりしたかゆみ |
耳カビ | かゆみ、耳垢がたまる |
特に「鼻カビ」は、重症化すると命に関わるものだそうです。
鼻腔から副鼻腔にカビが伸展すると長期間カビがすみついてしまい、免疫が低下している時に全身に回ってしまいます。見た目ではわからないため耳鼻科を受診する必要があります。
長時間イヤホンにも注意!
耳カビにも要注意。
耳カビ(外耳道真菌症)とは、耳の中に傷ができたりイヤホンで密閉していると、中が蒸れてカビが発生するというもの。
小さな傷のある耳をイヤホンでふさいでしまうと、蒸れて菌が繁殖しやすくなります。その結果、耳の中がかゆくなったり耳垢がたまったり、症状が酷いと難聴になる恐れも。
耳カビの予防法は、1~2週間に1回程度の耳かきです。すごく少なく感じますが、先生によると、毎日耳の奥の方まで耳かきをすると、耳の内部に傷がつきやすくなるのだそう。日本人は耳かきをやり過ぎだと言われているとか。
”きれいにしすぎてしまう”ことがカビの原因になってしまうこともあるのです。
市販の抗真菌薬
抗真菌薬は皮膚科に行かないと入手できないイメージがありますが、市販で購入可能なものもあります。
第一三共ヘルスケアの「クロマイーN軟膏」は、市販薬で唯一”抗真菌成分”が配合されています。
「コラージュ フルフル」シリーズ
実は10年ほど前に「脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)」に悩まされた時期があり、皮膚科で紹介されたのが「コラージュ フルフル」でした。
顔中真っ赤になってしまい、思い出したくもないくらい辛い症状が続きました。その時真菌薬と併用して、コラージュフルフルを使用していました。
脂漏性湿疹は再発することがあると言われていましたが、今のところあの時以来発症していません。
- コラージュフルフル 泡石鹸 300mL (医薬部外品)
- コラージュフルフル 液体石鹸 250mL (医薬部外品)
- コラージュフルフル ネクストシャンプー すっきりさらさらタイプ 200mL (医薬部外品)
- コラージュフルフル ネクストリンス すっきりさらさらタイプ 400mL (医薬部外品)
まとめ
マラセチア菌は誰もが持っている常在菌で病原菌ではないため、他人への感染を心配する必要はないそうです。
肌が少しブツブツしたくらいなら、家にあるかゆみ止めなど適当に塗ってしまいがちです。肌カビは症状が出たら自分で判断せず、すぐ皮膚科へ行きましょう…とは言ってもなかなかそうもいかないものです。
そんな時は市販の抗真菌薬を使用してみるのも良いと思います(もちろん皮膚科を受診するのが安心です)。